夜明け前が一番暗いといわれるように世間では景気停滞から悪化し、不況の中の不況へ向かっているようにさえ感じられます。しかし、寒い冬に蒔いた種が春に芽を出すように不況下で起業したスタートアップベンチャーの何社かが今年もIPO(新規上場)を果たしました。好景気を前に新たな分野での期待新星が出てきています。
日本の停滞は、様々な理由が考えられますがともかく「新しい時代」がもうすぐやってきます。政治、経済の一部は旧態依然としたものが残るかもしれませんが、新しい流れに組み入れられるでしょう。
鬱積したものがいつどこで弾けるのかそこにかかっている気がしてなりません。
かつて一億総中流と呼ばれていた労働階級は労働市場が売り手から買い手優位になったことで回復の見込みはなさそうです。一方で、デフレの恩恵を受けた資産階級の限られた人たちは楽に暮らせます。収入の平均が数十年前に戻ったということで、持っている現金の力が強くなっています。
日本では若年層の人口が減り続けていますし、世界経済もかなり不安定なままです。失業者が多く、人余りの傾向が続くでしょう。その中で、労働者として働くことこそが理想、歴史ある企業の正社員になるのが憧れという方がミスリードかもしれません。
現在、日本では社員数が多い企業組織の劣勢が目立ちます。社歴の長めの製造業が一人当たり営業利益が低く、リーマンショック後と震災後に大赤字で大損失のところさえあります。その一方で創業間もないネット企業の上場企業が好成績です。Yahoo、カカクコム、DeNA、GREE、ザッパラスの5社は4桁万円です。
これから就職活動の開始とあわせて人気志望企業が発表されますが、このような別の視点も加味して、新しい時代の働き方を考える必要があるんじゃないかと思います。